<<[2]STORM
ひとすじの光のように、煙立つ砂漠を駆けていくセリス。
ロックはしばらくその後姿を呆然と見つめていたが、
自らの傍らを吹き抜ける寒風と、打ち付ける雨に我に帰った。
「…待てよ!」
ぐい、と強くセリスの肩を摑み、正面を向かせる。
「…なにか?」
「砂漠の夜は死ぬぜ、知らないわけじゃないだろ?ただでさえこの嵐だ…」
もちろんセリスにはわかっていた。
「…死にはしない」
軽く唇の端を上げて、言った。
笑った、のだろうか?
強い意志、強い眼差し。覚えがある。
容姿も、雰囲気も、似ていないけれど。
「…言い出したら、聞かないんだよな」
そう、ひとりごちた。
そして、
「な!」
ロックは強引にセリスの手を引いて、逆方向に歩き始めた。
カラメルのようにほろ苦い想いを、胸の中に、抱いて。